「何か騙された気する・・・」

「はははは、でも 
まさか 春菜と
ここまで続くとは思いもしなかったけど。
いや、俺が 春菜ごときに
はまるとは思いもしなかった、だな。」

私ごときって・・・

ん?でも・・・・
これって・・・
輝樹に 好きって言ってもらえてるようなものなんじゃ・・・

聞き間違い・・・?

「輝樹、その・・・」

「あ?」

「私も、好きだから・・」

やばい・・・くらい
顔が熱い・・・
風は冷たいのに
顔だけが熱い・・・・

「あぁ、知ってる」

初めてキスした場所で
今度は 熱いキスを交わした。

帰りの車の中で

私は 幸運を使い果たしたんじゃないかと心配になってしまうくらい
今日は 予想外のうれしい事続きだ・・・

こういう幸せな時ほど
雰囲気をぶち壊すような不安が心の中に モヤモヤしてしまう・・・

「帰ってきてばかりで
疲れてるのに
ごめんね・・・」

遠まわしに 探りを入れてしまう自分がいるけれど・・・

「いや?疲れてるから
今日は どっちにしろ
春菜と会うつもりだったしな。」

「疲れてるのに?」

「疲れてるから 会うんだぞ?
俺が春菜と会う時は 疲れてる時が主だな」

「な・・・輝樹ってば・・・
今日、何か変・・・」

「変?何が?」

何がって・・・・
何か 私が浮き足立つような事ばっかり言って・・・

なんて言えない・・・。

「ううん・・・・
何でもない・・・」