慌てて　身支度を整え
輝樹が待ってる玄関へと走った。

いない・・・・？

「お母さん、輝樹は！？」

「外で待ってるって言ってたけど　いない？」

玄関の扉を開け
外に出ると
数日振りに見る輝樹の姿があった。

太陽が照りつける中
遠目で見ても
ドキドキしてしまう私は
完全に　何言うのかなんて
頭から飛んでいた・・・

「輝樹？どうしたの？」

「昨夜の春菜の様子じゃ
電話でないかもしれないだろ？
だから
突撃訪問ってやつだと
春菜も逃げられねぇだろ？」

逃げるつもりなんてなかったんだけど・・・
今までの私の行動から考えると
そう思われるのも仕方ないのかもしれない・・・

「もう出れるか？」

「あ、うん・・・」

輝樹の車に乗り込むと
昨夜見た光景が　鮮明に映し出される・・・

昨夜は・・・
ここに、この席に
他の女の人を乗せてたんだと思うと
嫉妬で苦しいのか、
悔しくて苦しいのか、
自分だけじゃなかったという現実を見た事が苦しいのか説明なんてつかないけれど
胸が苦しい・・・・

そして、この苦しさは
輝樹を　好きだからこその苦しさなんだという事だけは確かな事だ。