どうせ逃げても
追いかけてくるし。
逃げ切れるほど
足も速くないし。

ここは潔く・・・
停学くらい いいか・・・

と、思ってたら

1台の車が私達の前に停まった。

警察がたくさんいる中
何て度胸のある人達なのだろう。

窓が開き

「お前ら ここにいたのか~
かぁちゃんが
帰ってこいってよ。
はよ、乗れ」


――――かぁちゃん?―――


意味も分からず
半強制的に
車に乗ると
助手席の男が
2人の警官に向かって

「妹捜しに来ただけだから
安心してよ。
こいつ すぐ
家抜け出すからさぁ・・
そんじゃ おつかれ~」

この適当な言い方で
警察も納得するなんて
不思議だ・・・


けど、

補導は免れたけど
ある意味 やばいかも。

「おおぃ!美香。
そんな警戒すんなよ?」

美香・・・?
名前知ってるって事は
知り合い?

「え?え・・・?
あー!誰かと思ったら
ケンちゃん!」

「美香の知り合い?」

「知り合いっていうか
いとこ。
あ~、もう、びびったぁー
春菜も ちょっと
やばいと思ってたでしょ?」

「かなり・・・
山に置いてけぼりされたら
どうしようとか
ちょい焦った・・・」

「あはははは
人聞きわりぃな~
俺達 そんな悪人面してる?
ほら、よォ 見てみぃ?
可愛い顔じゃん?」

たしかに
2人とも かなり・・・
可愛い。
じゃなくて かっこいい。