「一応、跡取り息子だから
歯学部なんだけど・・・」

「歯！？って事は　将来　歯医者さん？」

「うん、まぁ・・・
別にしたい事もないし・・・
無難にね。」

「ん？跡取りって事は
両親が歯医者さん？」

「あー、そう。親父が・・」

「どこの？」

「小学校の近くなんだけど・・」

小学校の近く・・・と言えば
美香と行った所だ・・・

「あの小学生とかが多い所？」

「うん？学校の近くだから
仕方ないしねぇ・・・」

よくよく考えてみたら
どおりで・・・
輝樹も正樹くんも
歯並びも　完璧なくらいキレイなわけだ・・・

「輝樹は大工で
正樹くんは　歯医者さん・・・
たしかに正反対だ・・」

「あははは、でも
輝樹も一応　跡取りだけどね？」

「跡取りって、でも
輝樹は　歯医者とは縁遠いような気がするんだけど・・」

「いやいや、大工の方のね」

「え？でも、お父さんは
歯医者さんなんじゃ・・？」

「親父はね。
じいさんが大工だからね」

「おじいさん？」

「輝樹はじいさんっ子だから
いくらグレてても
じいさんだけとは仲良かったんだよね。
で、高校も進学できない状態になった時に
じいさんが、跡取りにって事で
働き始めたって感じかな」

何だか・・・・
知らない事だらけで
頭が　こんがらがってる・・