「あら?春菜 忘れ物?」

お母さんが不思議そうな顔をしている。

「うん、ちょっと・・・」

「あんまりワガママ言ったらダメよ?」

「分かってる!
・・・っていうか
お母さん、よく承諾したね?」

男の家に泊まるなんて
反対するとばかり思ってたけど・・・

「良い人だし、礼儀正しいし
何より 顔が良かったからね~」

「・・・あ、そう」

顔が良いのは認めるけど
あとは 完全に騙されてるよ・・

なんて言っても
きっと信用しないだろうし・・・

「いってきます・・・」

「ちゃんと宿題しなさいよ?」

「分かってるってば・・・」

さっきの2倍の荷物を持ち
ようやく輝樹の家へと向かった。


・・それにしても

どこからどうなって
夏休みの間
輝樹の家に住む事になったんだろう。

全然知らなかったし・・・

その前に
輝樹が仕事の間
私は 何をすれば・・・

遊びに行くにも
何か言われそうな気がするし・・・

夏休み・・・

どうなるんだろう。