「春菜っておもしろいね。」

「・・・おもしろい?」

「だって、俺達の心配してるし」

「私が原因なわけだから
心配するでしょ・・・」

「あははは、でも
ほんと 大丈夫だよ」

「でも、彼女なんでしょ・・?」

「うん、彼女だけど
好きなわけじゃないし
去る者追わずでいいしね~」

「変・・・・」

「変・・?」

「好きでもないのに
付き合うの?」

「そりゃ、まぁ、
いつか好きになれるかもしれないし?」

「それはそうだけど・・・・」

輝樹も こんな感じなんだろうかと思うと
少しだけ寂しい気がした。

私と付き合い始めたのも
いつか好きになる事があるかもしれないって感覚だったのかもしれない。

「あ、久保だ」

道路で 輝樹の車とすれ違ったけど
真っ黒なガラスのおかげで
様子が まったく分からなかった。

「あーらら、やばいかな。
久保に 春菜といるの
バレちゃったかもなぁ・・・」

また不安な事を言い出すし・・

「そんじゃ、またねー
久保の機嫌取り大変かもしれないけど。あははは」

そう言いながら
私を家まで送ると
帰って行った。