「ちょっと、亮!
誰 その女?」

駐車場で 急に
開いた窓から 女の人が
顔を入れ覗き込んできた。

「俺の妹だけど?」

平然と驚きもしないのは
やっぱり 輝樹と似てる・・・

「亮に妹なんていないじゃん!」

「うん、いないけど
俺の妹」

支離滅裂だし・・・

「なにそれ・・・
バカにしてんの?
仕事休みのはずだから
会おうと思ったのに電話しても出ないし。
挙句に 女といるし・・」

「自分の休みに誰と遊ぼうが
お前に関係ないじゃん?
っていうか、お前のその鬼のような形相に
春菜が怯えてんじゃん。」

「ひっど・・・何?
本気で最悪・・・」

そう言いながら
私を睨んでるけれど

これは・・・このケンカは
私が原因なわけで・・・

「はいはい、分かったから。
ひとまず、俺は今 春菜と遊んでるの分かる?
それなら 邪魔しないで?」

「さいってい!」

一言言い放つと
走って行った・・・

「春菜 ごめんね。
ビックリしたでしょ?」

「ビックリというか・・・
大丈夫なの?
私 説明しなくてもいい?」

心配する私を他所に
亮くんは まったく気にしてる様子がない。