「春菜ぁ？どうした？」

帰りの車の中で
まだモヤモヤを引きずり
知らず知らずに
無言になってしまっていた。

「ううん、どうもしてないよ」

「もしかして・・・
私の輝樹に近づかないで　バカ女
なんて　さっきの女に対して思ってたりして？あはははは」

「なっ・・・そんな事思うわけないじゃん・・」

「まー、男だらけの職場に
女がいると　可愛くない女でも
不思議と目の錯覚なのか
良いように見えちゃうんだよな～
つっても　久保の場合は
女遊びしまくりだから
そんな事はないけどね」

「ほんとに？」

「ほんとに。それに
春菜っていう
若くて可愛くてチビな彼女もいるし？」

「・・・チビは余計」

「あははは、チビだから
ますます可愛いんじゃん？
春菜の顔で　背高かったら
全然合わないし。
顔が童顔だからか、チビの方が
バランスが合ってるんだよ」

「褒めてるの・・？」

「一応・・・あははは」

そんな話をしてる間に
輝樹の家の近くに着いていた。

「どうせ　春菜
暇なんでしょ？」

「何か・・・言い方が
気に入らない・・・」

「ぷっ・・・あはははは
ごめんごめん。
暇だったら　もうちょい
付き合って？」

「どこに・・・？」

不適な笑みを浮かべながら
また車が走り始めた。