路上に停まっている車の影に2人して身を潜めてる姿は
明らかに 不審者2人組。

けれど、そんな事気にするよりも
輝樹を探すのが先決だ。

必死で目を凝らし
数人の似たような作業服の人の中から
輝樹の姿を探す事
数分・・・

亮くんが輝樹の姿を捉えた。

私が探してた位置とは
まったく違う方向で
木材を切りながら
誰かと話している。

帽子を深く被って
顔が見えないけど
少し長い明るめの髪が
光に透けてて
顔なんて見えなくても
確実に かっこいい雰囲気が
ここからでも分かる。


いつも見る輝樹とは
まったく違う かっこよさに
思わず ため息がでてしまった。


「亮くん・・・・・
輝樹の働いてる会社って
女の人もいるの?」


さっきから輝樹が話してる相手は
明らかに女の人に見える・・・


「女の大工って まぁ・・・
珍しいけど、仕事してるし
一緒に働いてるのかもね。
何々?やきもち?」

「そういうわけじゃ・・・」

私の知る事ができない
輝樹の姿を あの人は 毎日見てるのかと思うと
モヤモヤする・・・

「もうすぐ5時じゃん。
そろそろ帰らないと 久保達も もう帰るはず・・」

「あ、うん・・・・」


よく分からないモヤモヤを引きずったまま
亮くんと来た道を戻った。