翌朝、目が覚めると
やっぱり、
輝樹の姿はなく・・・

帰ろうか、待っとこうか
そんな事を考えながら
布団の上で ゴロゴロしてる私の目に
写った物・・・

・・・輝樹の携帯だ。

こういう時
自分の中の 普段隠れてる悪魔が突如現れるものだ。

見たい・・・・

でも、勝手に
そんな事は・・・

目の前にある
輝樹の携帯を見つめながら
何時間 悩んでるだろう。

見たいけど・・・

きっと、見た後で
罪悪感に苛まれ
見なければ良かったと
後悔する。


けれど、このまま
携帯を前に、この部屋にいると
私は 誘惑に負け
見てしまうだろう。

そんな自分にはなりたくない。
なるわけにはいかない。

それなら・・・

今の私に最善な方法は・・・

1つしかない。



輝樹の家を出て

家に向かって歩いていると
携帯が鳴った。

番号だけの表示・・・

輝樹が消したメモリの1つだろうか。

「もしもし?」

「歩いて どこ行くの?」

「え・・・?」

何で歩いてる事を知ってるんだろう。

っていうか、誰・・・?