友達だなんて思われてないって事くらい分かってる。

だけど、
どうすれば良かったの?

そう言いたいのに
口を開けず うつむいたままの自分は
臆病だし、最低だ。

「あのな、俺は
本気で気持ちをぶつけてくる女には、本気で返してる。
拒絶もするし、受け入れもする。
遊び程度の気持ちの女とは
適当に遊ぶ。
この意味分かるか?
本気の奴には 中途半端ほど
残酷な事はないんだぞ?」

「残酷・・・・?」

「もし、春菜が
好きな奴に振られて
それでも友達だったら
諦められるか?
新しい男 見つけようと思うか?」

見つけられるわけない・・・

大きく首を横に振ると
輝樹は 私の頭を撫でながら

「な、分かるだろ?」

そう言うと
もう、その話題には触れなくなった。

自分で きちんと
けじめをつけなくちゃいけない。



前、いとこくんの家で
あの女の人に言ってた言葉の数々を思い出しながら・・・
輝樹の 優しさが
ようやく見えた気がした。
あの時は、何で そんな事言うの?傷つくよ・・・
なんて思ってた。
でも・・・・
拒絶されなければ どこかで期待をするし、可能性を信じる。

どっちが前向きになれるか考えると
きちんと拒絶された方が
前に進める気がする。

・・・やっぱり、

輝樹には敵わないや・・・

自分の無能さと、子供さに
ため息しかでない・・・