「春菜って 俺の事
親に話したりしてるのか?」

「ううん、何も話してないけど
どうして?」

「いや・・?俺の事見て
あんな対応する親って
初めてだから
何か 話してるのかと思って」

私も 内心・・・
かなり驚いてる。
反対されると思ってたけど
普通だった・・・
むしろ・・・輝樹に
私の事を任せたような言い方だったし・・

「今夜も泊まっていけるか?」

「あ、うん。大丈夫・・・
でも 明日も仕事なんでしょ?」

「仕事だけど、夕方は帰ってくるし
待ってられるだろ?」

輝樹の家に着き
部屋に行くと
1日来てないだけなのに
すごく懐かしく感じてしまう。

そんな感情に浸ってる時
聞きなれない着信が部屋に響く。

音のする方に目を向けると

「電源切るの忘れてた・・・
最悪・・」

舌打ちしながら電話に出る輝樹の姿。

「何か用?いや、家。
あー無理。だから無理だって!
はぁ?知らねぇし・・・
その気になったら電話するって。
無理。あぁ、無理。
しつけぇし・・・じゃあな」

少し甲高い声が
携帯から うっすら聞こえる。
確実に女だ。
強制的に切ったけど・・・

「私 帰ろうか?」

嫌味を込めて
つい言ってしまった。