「そういえば・・・
春菜、帰らないだろ?」

「今から帰ろうかと思って・・・」

「却下。そのままいろよ?」

「でも、輝樹
仕事でしょ・・・?」

「あぁ、仕事。6時くらいには帰ってくるから
おとなしく待っとけよ。
あー、腹減ったら
リビングに 飯が用意されてるはずだから
それ食って
あとは ダラダラ過ごしとけ。
そんだけ、じゃあ また夕方な」

「えっ、ちょ・・」

せめて 私が 
分かった。とか
じゃあね。とか
聞いてから切ってよ・・・

顔を洗い、歯磨きをして
リビングに行くと
輝樹の言う通り
ごはんが準備されて置かれていた。

・・・・誰もいない。

静まり返った この大きな家に
私 一人・・・

ごはんを食べて
キッチンに運ぶと
シンクには 朝の食器がそのまま水につけられていた。

・・・洗うべき?

洗うべきだよね・・・
でも、食器洗い機が
キッチンの収納部分についてるけど・・・
使ってないんだろうか。
中を開くと 新品同様だ・・・

シンク横には 大きな食器乾燥機がある。

手洗いが好きな所もあるし・・・

よく分からないまま
手で洗い、乾燥機にかけた。

時計を見ると
まだ1時過ぎ・・・・

6時に帰ってくるって言ってたから
あと5時間・・・

長すぎる・・・