さすがに他の女とのキスシーンを目撃するのも二度目ともなると
何か、どうでもよくなってきた。
浮気発覚の次は
また 女とのキスシーンって・・
自分の中で
何かが弾けたように
その車に向かって
歩き進んでる自分・・・
自分の事なのに
自分の事じゃないような感じだ。
夢の中での事のような、
テレビ画面越しに見てるような・・・
車に近づくと
キスしてる2人が
私に気づくはずもなく・・・
助手席のドアに手をかけ
一気に開けると
驚いた顔で一斉に見る2人。
「は、春菜?」
驚いた顔で 外に出てくる輝樹。
「うん?」
と笑顔で答えた瞬間
私の手は 輝樹の頬をひっぱたいていた。
「もういい。輝樹なんていらない。
私には 無理だから」
呆然としてる輝樹を後に
その場から立ち去った。
家に帰り、ベッドに座ると
さっきの出来事が
随分前の事のように思える。
あぁ・・やっちゃった。
私に あんな度胸があったなんて
新たな発見だ。
初めて ひっぱたいた。
輝樹も予想外の出来事に
何も言わなかったし、
思い出すと 思わず
笑いがでてしまう。
私ってば、時限爆弾みたいな感情があったんだ。
一緒にいた女の子に悪い事しちゃったなぁ・・・
あんな場面見せられたら
気まずいだろうな・・・
まぁ、いっか。もう関係ないし・・・
関係ない・・・か。