考えてばかりで
いても立ってもいられず

せっかく送ってもらったのに
私の足は いとこくんの家へと
向かって、走り出した。

息を切らせながら
いとこくんの車があるか確認をすると
そのまま 部屋へと向かう。

部屋の扉を開けようとすると

「春菜ちゃん・・・?」

背後からの声に
体が跳ね上がった。

「びっ・・・くりしたぁ・・」

「あははは、体飛んだね~
ごめんごめん、
どうしたの?帰ったかと思ってたよ」

「うん、帰ったんだけど・・・
っていうか・・・
いとこくん、その前に
洋服着てくれるとありがたいかも・・」

お風呂上りなのか
上半身裸は さすがに
目のやり場に困る・・・

「あー、うん?」

部屋に入ると
服を着た いとこくんが
髪の毛を拭きながら
私の目の前に座り込んだ。

「んで、何かあった?
帰ってまた来たって事は
何かあったんじゃないの?」

「何もないんだけど・・・
どうしても 気になって・・」

「うん?
あー、もしかして
あの夕方来てた女・・?」

「・・・うん」

「久保先輩に聞かなかったの?」

「気にする事じゃないって
うやむやにされた・・・」

そう聞くと想像できたのか
納得した様子で
少し 考え込んでしまった。