「ふぅ~ん・・・
じゃ、遠慮なく・・」

と言いながら
普通に 微妙な空気の中
部屋へと入る美香。

奥に座ってる女の人は
帰るどころか
立ち上がる様子すらない。


扉の前で突っ立ってるわけにもいかず
私も部屋の中に入るけど
かなり・・・
居心地悪い。


「さっきから言ってるように
悪いけど、俺には無理だから。
もう 帰ってくれない?」

座って うつむいてる女の人に向かって
普段のいとこくんからは想像できないような
冷たい言い方だ・・・

「でも、どうしようもないんだもの。
健二くんしか 他に頼れる人がいないの。
お願い・・・・」

すがるような目で
声を震わせながら
いとこくんに
何かを頼んでる。

「だから、俺 関係ないって!
帰って?っていうか
もう来ないで?」


私と美香が
ここにいるのは
間違ってるんじゃ・・・?


「でも・・・あと一度・・・
輝樹と会って話がしたいの。
そしたら、もう諦めるから。
お願い・・・・」


・・・・輝樹?

輝樹って聞こえた気がする。

顔を上げると
いとこくんが 気まずそうな顔で
私の方を見ていた。

やっぱり、輝樹に関係ある人なんだ・・・