数分後に戻ってきた
いとこくんの両手には

洋服と、小さな箱・・・?

「はい、これ
お願いね?」

これ以上ない笑みを浮かべながら
私に その2つを手渡した。

「・・・・?」

渡されても・・・・

「えっと・・・何をするの?」

「ん?ここ縫って?」

縫って・・・?

渡された洋服をよく見ると
輝樹の作業着に似た
下の方がダボダボになった
作業着のズボンだ。

いとこくんが指差した部分を見ると
ダボダボの部分が
大きく縦に裂けている。

「鉄筋に引っ掛けちゃってさ~
これ まだ買って1ヶ月くらいだから
捨てるにも もったいないし、
かと言って、おふくろとはケンカして
冷戦状態で頼めないし、
美香は 不器用だから
これ以上ひどくなりそうだし」

「私も器用じゃないよ・・?」

「でも、一番マシかなって思って。」

・・・マシって

こんな言い方されちゃ
適当にやるわけにはいかない。

私だって、頑張ればできるんだし。

マシなんて言い方 撤回させてやるんだから。