「・・・な、春菜ってば！」

「あ、え？ごめん、どうした？」

顔を上げると
車の中から降りて
こっちに向かってくる
ナンパ男。

・・・と、思ったら

「・・・逆瀬川くん？」

「うん？佐々木さんいるかな～と思って、兄貴に連れてきてもらったんだ。
と、言っても　ちゃんと
ナンパしなくちゃいけないっていう条件で連れて来てもらったから
朝まで　頑張らないといけないんだけどね・・・」

そう言いながら
私の隣に腰掛けた。

「えっと・・・
川野さんだったよね・・？」

３年なのに、美香の名前まで知ってるなんて
やっぱり、逆瀬川くんってすごい・・・・

「あ、うん。よく知ってるね？」

「佐々木さんと、川野さんは
いつも一緒にいるから。
ここにも　２人で　よく来てるでしょ？」

・・・・なるほど。

「２人とも　何　そんな難しい顔してたの？
何かあったのかと
声掛けるの勇気いったよ。」

「あー・・・あははは・・・」

笑いで誤魔化すしかないし・・・

「そんじゃ・・・
兄貴と　頑張ってこなきゃ・・
また、電話するから・・」

立ち上がって
車の方に向かおうとした時

・・・嫌な予感が走った。