「・・・この前、
輝樹が、車の中で
女の人と　キスしてる所
偶然見ちゃって・・・」

「見ちゃって・・・？
それで？」

車を路肩に停め
足を抱えるような姿勢で
ドアにもたれかかり
私の方に体を向けた。

否定もしない。
動揺すらしない様子で
ただ　私の方を
まっすぐ見ている。


「・・・それで
つらくなっちゃって・・・」


「つらくなって　もう
俺といるのやめようって？」


「・・・・」


「春菜さぁ、
そんだけ　俺の事
好きって事だろ？
じゃー、いいじゃん？
春菜が俺を好きなら
それでよくねぇ？」


・・・・意味分かんない。


「好きだから
つらいんじゃん・・・」


「何で？俺の彼女は
春菜だけだし。
これで　彼女が何人もいたら
そりゃ　つらいかもしれねぇけど
彼女っていう立場は　春菜だけなんだぞ？
ぞれじゃ　ダメなのか？」


うれしい言葉だけど



・・・・何か違う気する・・・