「ったく、何なんだよ・・・」
うつむいたまま
黙り込む私に
輝樹は 大きなため息をつき
沈黙のまま
時間だけが過ぎていく。
「なぁ春菜、俺の事 嫌いなのか?」
「っちが、う・・」
嫌いになれたら
どんなに楽だろう・・・
「じゃー、何?
まだ いろんなナンパ男と遊びまわりたいのか?」
首を横に振りながら
それでも 顔を上げて
見ることができない。
「・・・はぁ。
分かった。もういい。
とりあえず、俺とは
もう付き合いたくないんだろ?」
首を縦に振れば もう
この空間から、輝樹から
解放される。
・・・・のに、
うなずけない自分。
「あー、もう
何なんだよ。意味わかんね・・」
両手で頭を抱えながら
勢い良く 背もたれに
倒れこみ 呆れた様子で
私の方に目を向け
大きなため息をはいた。
「春菜さぁ・・・
どうしたいわけ?
俺の事避けてるけど
別れたいわけじゃない。って
思いっきり 矛盾してんじゃん?」
本当 その通りだ。
自分でも どうしたいのか分からない。
別れるって決意してたのに
顔を合わせると
こうなるなんて・・・
でも、こうなる事が想像できてたから
自然消滅を望んだのかもしれない・・・