「けんちゃん、何か知ってんじゃないの?」

「ばっ・・何も知らないって!」

「知らないはずないじゃん。
しょっちゅう春菜の彼氏の家に
遊び行ったりしてんのにさ?」

「知らないって・・・」

「けんちゃん!いいかげんにしてよ。
もし、後々 春菜が傷つくような形になったら
私 けんちゃんの車 蹴るからね?
ついでに ペンキで落書きしてやるんだから。」

美香ってば・・・
半分 脅しのような・・・

でも・・・
本当に心配してくれてるんだ・・・

「あーもう!分かったよ!
でも、俺が言ったとか
絶対、絶対言わない事。
先輩にバレたら
俺 県外逃亡しないといけなくなるし・・・」

「分かった、
絶対言わない。
ね、春菜」

「うん・・言わない」

はぁ・・・・・・・。

いとこくんは 大きなため息をして
まっすぐ私を見た。

「春菜ちゃん、平気?」

平気って・・・
それほど 落ち込む事を
これから言うのだろうか・・・

「大丈夫・・・」

少し、予想はできてるから・・・
ただ
それを自分で認められないだけ・・・

認める勇気がないだけ。