煮え切らない態度を見ながら
美香は ため息を1つこぼし

「何で そこまで
そんな最低男にこだわるの?」

「・・・分かんない」

自分でも ほんとに分からない。

「はぁ・・・もう・・・・
春菜ってば また
変な男に引っ掛かって・・・」

「ごもっともです・・・」

「真相は分からずじまいなんでしょ?」

「・・・うん。
聞けなかった・・・」

「分かった。
春菜 行くよ」

「え!?どこに?」

「ケンちゃんの家。
あいつなら 絶対知ってるもん」

「え・・いいよ・・・
大丈夫だから・・・」

「ダメ。私が大丈夫じゃない。
そんな春菜見てられないもん
っていうか 私がイライラする。」


気が乗らない私は
美香に手を引っ張られながら
いとこくんの家へと向かう。

門扉を開け
玄関を開け
また 普通に
いとこくんの家の中へと入っていく。

「いないみたいだけど・・・
また 今度でいいよ。ね?」

帰ろうとする私の手をガッシリと掴み
美香は電話し始めた。

「あ、ケンちゃん?
まだ帰ってこないの?
あ、うんうん。
分かった、じゃ待ってる」

待ってるって事は・・・
帰ってくるんだ・・・

気が重い・・・・