「それにー」

(ゆずが何か言おうとすると

女子の黄色い声によって

遮られた)

「キャー!!!」

「キャー翔~」

「ほらぁ

松田くんて

めっちゃモテるしさぁ

可愛いし

自慢できるよ~

いいじゃぁん」

(加絵の目が自然と

松田をとらえる)

「やだ!!

あんな女子みたいな

なよっちい男!!」

「えー...」

うー...

それにしても

冬の体育はつらい~

体育館隙間風が寒いよぉ...

「!! 花井」

「!?」

(バサッ と加絵に

松田の上着が

投げられた)

「?」

「あっちーから

それ持ってて」

ギャ!!

松田!!!

「は?

何でわたしが」

「あ~

じゃなくて

寒いんだろ?

それ着てな」

(松田はそういうと

そっと笑った)

「じゃね」