『美紀に菜緒!?』
「そうだよ~!」

それから、私たちはずっと喋っていた。


ガラ・・・

『席着けーー!』

担任が教室に入って来た。


『え~4組の担任、城野だ。よろしくな。』
城野先生は、40代後半の数学教師。
とくに目立ったところもない、普通のおじさん。


━━━・・・

『じゃあ気をつけて帰れよ~。』

その言葉で、みんなが一斉に席を立つ。


『美紀ー菜緒ーカラオケ行かない??』

真帆たちだ。


「あ~ごめん。私、バイトするから今から探しに行くの。」
『美紀が行かないんだったら、あたしもいいや。』

「えっ!?菜緒は行ってきなよ。」
『あたしも美紀と一緒にバイトする♪♪』

菜緒は、私の家の事情を知ってるから、いつも優しい。