「あー、だな。
 なんか急に朱里が俺を避けだしたん
 だよな」

「あれは…」

私は理由を言いそうになり、ギリギリで自分の口を手で押さえる。

「あれは、何?」

純はこっちを見て聞いてくる。

「なんでもない」

「なんでもなくないだろ。
 お前、泣きそうだよ」

純の言われたことに、ピクンと反応する。

「ちょっと、洗面所いってくる…」

「ん、いってらっしゃい」