顔をあげるとそこには
あたしと同じ学校の制服を着た
見たことのある男子がたっていた。
『真木…先輩?』
カッコいいと有名な
あたしの学校の3年生。
あまりにも有名すぎて、
流行りにうといあたしでも
真木先輩のことは知っていた。
『あ、同じ学校だね。後輩かな?あ…っとお婆さん大丈夫すか?』
そうだっ!お婆さん!
『すまないねぇ。』
『いえ。毎日すごい人っすよね。立てますか?』
『ありがとうよぉ。』
真木先輩は優しくお婆さんを
支えてあげていた。
あたしは散らばった荷物を
いそいで拾っていた。
『ぁ…はい。お婆さん。荷物、これで全部ですか?』
『そうそう、これで全部。本当にどうもありがとうよ。助かりましたぁ。』
『いえいえ。ここ座っててください。次で下りますし。気付かなくてすんませんでした。』
『ぁ、わたしも気付かなくてすいませんでした!』
『そんないいですよー。じゃあ遠慮なく座らせてもらいます。ありがとう。』
お婆さんに一礼して
戻ろうとすると、あたしの
座ってた席はもう別の人が
座っていた。
仕方ない…
ドア側いこ…。
移動したらため息が出た。