ガタンー…ゴトンー…
『次はー〇〇駅ー。〇〇駅ー。』
車内にアナウンスが
なりひびく。
朝の出勤ラッシュで
車内は人で溢れている。
あたしは運良く、
混む駅のずっと前の駅から
乗り込む田舎者で
座席のはしっこに座ってた。
立っている人達は辛そうだ…
と思いつつも席を譲る
勇気が出ないあたしに
自分自身ほんのすこし憂鬱。
キィーッ…ガタン…プシュー…
ドアが開き、ぞろぞろと
人が出てゆく。
その中の1人のお婆さんが、
あまりの人の勢いにおされ
倒れてしまった。
散らばった荷物は踏まれ、
あっという間に
踏んでいった人達は
ホームへ去っていった。
『『大丈夫ですかっ?』』
あれ?
とっさにあたしはお婆さんに
声をかけたが…
別の人と声がかぶってしまった。