小学四年生の夏休み 今日みたいに酷く暑い日だった。

僕たち四年生は当時エアコンもない美術室で汗をかきがら絵画の授業をしていた。
テーマはお父さん・・・
しかし僕にはお父さんはいない
むしろ元々無いものといった感じだった。
母子家庭の僕にはどの授業よりも難しく感じた。
すると教室をぐるぐると徘徊している先生が僕の真っ白な画用紙に気付き
どうしたのか?と聞いてきた。
僕はお父さんがいないと正直にいった。
別に同情を誘ってるのではなく
いないものを要るように自分の中で仕立て描こうと思う程の人物ではないからだ。
僕は先生にテーマの変更を要求した。
すると案の定テーマはお母さんになった。