やはり今日採用結果が、届いていた。『採用通知―貴女は採用が決定しました―つきまして…』どうやら年齢は、ばれる事は無かったようだ…多分、一人暮らしが良かったようで内心ホッと息をついた。(これで少なくとも、母さんが助けられるよ…一人暮らしに感謝だね)私は、先程まで感じていた感傷的な想いを忘れたかのように明るく振る舞った。


次の朝……夜遅くまで帰らないので、いつも以上に早起きをし家事を終えて店へと向かった。

「君の担当場所へ、案内するよ…しかし珍しいねぇ~今時の娘でこの仕事を選ぶなんてなぁ。君なら他に色々ありそうだが…まぁとにかく助かる」

いつも通りに、店の仕事を終えると面接をした事務所に来ていた。どうやら勤務先は近くらしく、責任者の斎藤 正男(さいとう まさお)さんに案内をして貰ったが凄く話好きらしく…着くまで延々と話し続け私は、ウンザリしながらも愛想よい笑みを顔に貼り付けていた。しかし………私は、ビルが建つ前で凍りついた…。

「あの~勤務先って…」
「このビルだ。通うのにも便利だろ?広いし階数も多いから大変だが君は、若いから期待しているよ…。なぁに、誰もめったに残ってないから気楽にな」
「…………は、はあ…」
(マズイマズイマズイよぉ~ここはマズイ…毎日来てるんだよ~誰も居なくなるって毎日じゃないでしょ~~~!!!…でも時給も良いんだよね)

私の中では物凄い葛藤が………しかし…結局は、お金に傾く駄目ダメさんでした…。例の彼のビルだが、制服にマスクで納得させてしまっている。 (ま、まぁ…マスクで顔隠れるし…なんとかなるよね…ガンバ私!)実に単純な娘だったりした(泣