姿形を、変えるだけで周囲の反応は全く違う…



今まで何度も、無視していたエステの人や女の子を誘う男の子達…手の平を返すようにひつこく声をかけてくる。



(…世間なんて所詮…馬鹿ばっかり…本当なんてないんだ)




フラフラと宛てもなく歩いていると……



〔リゾート地で楽しく働いてみませんか?〕



私は、そんな広告に引き寄せられるように貼ってある広告の前にたった。


どうやら、山頂ちかくのペンションで…行楽の秋を前に募集中の場所も多いんだと置いてあった広告の紙数枚を手にした。





「蛍!…何処行っていたんだ!遅くなって…蛍?」
「………………………」
「蛍…あの店も、バイトも辞めたって本当か?最近色々あって今日…聞いたんだが。それに…」
「そんな驚く事?…言ったでしょ…私だって…良いじゃない、仕事は直ぐに見つかりそうなんだから。色々…理解したの」



私は、開き直り藤堂さんにこの地を出ると告げた…ズキンズキンと痛む胸元を押さえて………。




「認めないし、そんな必要もない……蛍…待たせて悪かった。やっと、全ての手続きが終わったんだよ……今日から…蛍は俺と一緒に暮らせる」
「…………………えっ」



イマイチ理解出来ないままに私は、藤堂さんとは真逆の表情で見上げてしまった。