「ただいまぁ~蛍!」
「あぁ~ハイハイ…今日は、パン食で良いよね…って拒否権ないけど…」


入って来るなり懐きつく翼を、退けながら小さな冷蔵庫からあるだけの卵や野菜を出した…マスターが店で使いきれなかった食材を持たせてくれるのだ…(本当は、ワザワザ買って置いてくれてるのは気づいているが…そう言わないと私の最悪なるプライドが。例え凄く感謝していても…)


「転校早々にレギュラーならモテモテでしょ?彼女作って飼ってもらえば?…確か…共学だよね」
「か、飼うって…ペットかよ俺…………」
「何?」
「………………べぇ~っつに!!」


翼に、思っている事を口にすると…何故だか恨めしい気に見るのでパンを口に放り込みながら聞き返すと拗ねたように食べ続け首を傾げた。いつも片付けを手伝う翼は、今日は手伝うことなくブスッとして片付ける私を睨みつけていた。


「ハハハ…それはそれは」

「蛍ちゃん、悪いなぁー怒っても駄目だから、悪さするのであれば言うんだよ?」
「大丈夫ですから…いざとなったら放り出すから!」


ニッコリ…藤堂さんと、マスターに言うと二人揃って《らしい》と言われ(私らしいって…?ハハハ、私って何て思われんのよ…)何だか二人揃って言われるとムッとした。最近の自身の目標は…〔乙女らしく〕〔大人っぽく〕だったりするので…仕事を始めて以来の心の友の‘JOHN LENNON’に話し掛けると藤堂さんなんかは余計に、声を殺すように笑っていた。