駅前の高層マンションの17階が俺の家。
住み心地はまぁまぁ。
ここから見る景色は、最高なんだ。
エレベーターで部屋を目指す。
カバンから鍵を取り出し、鍵穴に挿した。
部屋に入ると、部屋の中は真っ暗で、自分は一人だ、と改めて思わせる。
『…はぁ…』
部屋に着くとすぐ、リビングにある大きなクリーム色のソファーにドサッと座った。
父親は、俺に高級なマンションに住まわせた。
どこからそんな金が入ってくるのか。
大体予想はつく。
女から金を貰ってるんだろ?
もう何年も父親に会っていないから顔があまり思い出せないが、父親は確かにかっこいい人だった。
そんな父親と似ている自分。
俺も父親のようになるのかな?
『…うぜぇな…』
父親のようになんかなりたくない。
月が俺の部屋を明るくしてくれる。
お前は俺を見守ってくれるのか?