俺は人間を利用する人間ではなく、人間に利用される人間だ。
女は欲求不満になったら俺で満たして、満たされたら即サヨナラ。
笑っちまうだろ?
じゃあ俺の満たされはいつくるの?って疑問に思うだろ?
分かるか、そんなこと。
『怜…怜?…怜!!』
耳元で俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
誰?俺の時間を邪魔するやつ。
『…あぁ、竜也?』
見上げると笑顔の竜也がいた。
時計を見ると今は休み時間だった。
生物の訳の分からない図が、綺麗に消されていた。
『で、なに?』
『ていうか!報告しろよな!!』
竜也は俺の前の空席に腰を下ろして、意味不明な言葉を発してきた。
『はぁ?』
『安田と付き合ってんなら早く言えっつーの!』
安田とは梨花のこと。
付き合ってる?
あぁ、どうせ梨花が言いふらしてんだろ?
『あぁ…そのことね…』