『運命を信じる?』
今の俺にこう聞かれたらすぐに答えるよ。
綾音と出逢ったのは運命だから。
シャボン玉はすぐ消えてしまうけど、俺達の愛は消えないよ。
ずっと…ずっと。
朝、小鳥の囀りと共に眠っていた体を起こす。
ベッドの隣には、雅くんがくれた向日葵の写真が飾ってある。
俺は空に『おはよう』と言ってからリビングに行く。
なにも変わってない朝。
リビングに行くと、
キミが朝食を作ってくれている。
そんなキミの背中に、
朝の挨拶をするんだ。
『おはよ…綾音…』
キミはくるりと後ろを振り返って、あの頃と変わらない笑顔で俺を見つめる。
『おはよ、怜』
俺の朝はキミとの『おはよう』から始まる。
キミは俺の愛を受け止めてくれる。
俺もキミの愛を受け止めている。
愛してるよ。
もう迷わない。
かけがえのないキミへ…
『綾音、愛してるよ』
『あたしも愛してる…』
そして俺たちは抱きしめ合いながら、光溢れる部屋の中でキスをするんだ。
かけがえのないキミに。
《完》