いつになっても届くことなんかないのかな…
クーラーで冷え切った教室。
机もひんやりと冷たくなっていて、俺はそんなひんやりとした机に顔を伏せた。
そして目を閉じて、自分なりに考えをまとめる。
俺の罪は増えていく一方。
俺はこの時確信をした。罪の意識を─…
梨花に感情もないまま付き合うのは罪で、
竜也に綾音が好きだと言えないのも罪。
そして綾音に気持ちを伝えられないのも罪だ。
俺の体が、心が全てが罪と化す。
そんな罪悪感に押しつぶれそうな体を俺は引きずっていた。
先生が日本の歴史について黒板に書きながら説明をする。
俺はその話を聞き流しながら、ずっと綾音のことばかり考えていた。
そして綾音から来たメールの返事をする。
俺の指はこういう文字を打っていた。
《楽しんできてね》
画面に映し出された文字たちは、まるで泣いているようだった。