一時間目が始まるチャイムが鳴ると同時に、梨花は自分の教室へ、竜也は自分の席へと戻って行った。

やっと解放された俺。

すると眠そうな表情を見せた日本史の先生が教室に入ってきた。
そしてこの前の続きから授業を始める。

俺は一応ノートと教科書だけ出して、黒板には目を向けず、太陽の光で反射しているグラウンドに目を向けた。


『…なにもないといいな…』


最近独り言が多くなった気がする。
それだけ気になるという証拠かな…


いきなりポケットの中が震えだした。
その正体は携帯。
俺は携帯を取り出して、開いてみる。

メールが一件受信されていた。

その差出人は、キミだった。


《今日竜也君の家に行くから遅くなったりしたらごめんね。 綾音》



俺は携帯を握りしめながら、悔しさを一生懸命耐えていた。


ねぇ…綾音…
俺の気持ちはいつ届きますか…?