俺が竜也に聞くと、竜也はいじっていた携帯を一旦机の上に置いて、俺を見た。
『遊ぶよ、俺の家に呼んだんだ。新作のDVD買ったからさ』
こう言って怪しげな笑みを浮かべる竜也。
こいつが考えていることは大体予想がつく。
『…綾音ちゃんを襲う気か?』
恐る恐る聞いてみる俺。案の定竜也は顔を真っ赤にして、手で隠していた。
『…だめ…』
聞こえないくらい、小さな声で俺は反論するが、その声は当然竜也には聞こえていない。
『なんか言ったか?』
『別に…何にも…』
はぐらかす俺。
もっと大きな声で言っていたら、何か変わっていたかな…
『あたしと怜は買い物だよねー!』
梨花は俺の腕を組んで、べったりとくっついてくる。
俺は作り笑いをして、梨花を見つめた。
『そうだね…』
俺の心の中が黒い雲で覆われていく気がした。