嫌だ、嫌だ。
また前と同じ気持ちになるのだけは…


『それは無理だな…だってあやちゃん海嫌いみたいだしさ?』


すると梨花の言葉を聞いていた竜也から横からこう言ってきた。
俺はまさか竜也がこんなことを言うなんて思ってもいなかった。

竜也ならはしゃいで賛成すると思っていたから…

梨花はさらに不満そうな顔を浮かべて、ガックリと肩を落とした。


『綾音ちゃん、海嫌いなんだ?』


『うーん、なんかね。嫌いみたい』


『ふーん、そっか…』


綾音は海が嫌いなんだ。初めて知った事実。
俺はまだまだ知らないことばかりだ。

だけど綾音と暮らし始めてからいろいろ気づいたことだってある。

綾音のシャンプーや、
綾音が好きな食べ物。


でもこれだけでは知った内には入らない。
まだまだ知りたいことばかりだ。


『そういえば今日遊ぶの?』