綾音といいことがあったからそんな事言えるんだよ。

俺は冷たい視線を竜也に向ける。
だけど竜也は俺の視線に気づいてはいない。


『お前、テンション高すぎ』


『そーか?』


俺って最低かも。
友達の不幸を願っているから…
こんな俺って最悪だろ?

もうここから消えたい…

目の前では楽しそうに携帯をいじる竜也の姿がある。
間違いなく相手は綾音だろう。

どんな会話してるの?
綾音はなんて返事をしてくるの?


気になってばっかりだ。

『ねー怜?夏休み海行こうよ~』


隣にいる女は女で、呑気に夏休みのことなんか言っている。
俺が梨花に気がないのを、梨花は気づいていないみたいだ。

そろそろ気づかせた方がいいのかな?


『俺暑いの嫌いだって…』


『えー…あ!じゃあまた4人で行こうよ!』


『は…?』


4人って…
あの4人だろ?
嫌だよ、そんなの…