消そうとしても、
この想いは消えることなかった。
いつか消えると信じて生活してきたが、無理みたいだ。
俺が綾音のことを好きな気持ちは消えてはくれなかった…


ようやく熱い太陽とはおさらばだ。
げた箱で靴を履き替えて、教室に向かった。
俺の高校は私立なため、廊下や教室全体にはクーラーが効いている。

とても快適だ。

俺はカッターシャツをパタパタと扇ぎながら、教室に向かう。

教室には竜也の笑い声と梨花の笑い声で溢れていた。


『怜、おはよ!今日暑いね~』


梨花は可愛いキャラクターがついているうちわを扇ぎながら俺を見上げる。
俺は梨花の頭を撫でて、席に座った。


『本当に暑い。俺帰りてぇ…』


頬杖をついてグラウンドを眺めながら弱音を吐いていると、前にいた竜也が俺の頭を叩いた。


『ばか言うな!頑張れ!俺は頑張るし!』



お前はいい事があったからそんな事言えるんだろ?