俺はトーストを皿の上に置いて、フォークでサラダの上にのっていたプチトマトをぶっさした。

俺のいつもの悪い癖。
イライラすると、なにかと物に当たってしまう。

『俺も梨花と予定あるから丁度良かった。俺の方が遅かったら鍵閉めといていいから。危ないし』

こう言って、プチトマトを口の中に放り込んだ。綾音はもう一度首を縦に振って、食事を続けた。

俺も梨花とはまだ付き合ってる。
だけど、夜遊びはしなくなった。
遊ぶ日が少なくなった。なぜなら、家には綾音がいるから。

もし一人だったら俺は平気で家を空っぽにするだろう。
だけど今は綾音がいる。愛しいキミが。

綾音を一人には出来ない、それに綾音と少しでもいいから一緒にいたいから…


『ごちそうさま』


俺は小さく呟いて食器を片付けた。
食器を洗うのは俺の役目。
綾音だけに仕事をさせるのは、俺のプライドが許さない。