太陽になんかなれるわけないのにさ。
だけど、太陽はいつも眩しくて、いつも輝いていて、ただそれが羨ましかったんだ。
俺もいつかあんな風に眩しくて、輝いている人間になりたいから。
俺はリビングにあるソファーに体を横にした。
一人はやっぱり暇すぎる。しかも今日は休日だ。出かけるのもめんどくさい。
それにいつ綾音が帰ってくるか分からない。
今気づいた。
なんか今の俺、娘の帰りを心配している父親みたいだ。
さっきから何度も時計を見ては、時間を確認している。
今はまだお昼。
いくらなんでもこんな早く帰ってくるはずないだろう。
デートだし…
ふと俺はある言葉を思い出す。
竜也が言った言葉。
今度、綾音にキスをすると…
この言葉を思い出した俺は途端に顔が青ざめていったに違いないだろう。
だって嫌だから。
また辛くなるだけ。
また苦しくなるだけ。