『怜は忙しいんだよ!また今度にしたら?』


横から竜也が入ってくる。俺は竜也を見上げた。竜也は俺に微笑み、女たちを俺から離していく。


静かになった俺の周り。
竜也は俺の前に座り、背伸びをしていた。


『俺忙しくねぇよ?』



『嘘はやめろよな。お前が暇とかまじないから!』



竜也は笑いながら携帯をいじっていた。

…どこを根拠に?なんて聞けるわけないな。



『なぁ、竜也…駅前に…』



『ん?』


俺は竜也にあの子のことを話そうとした。
だけど、言うのをやめてしまう。


だって、もし『一目惚れしたんだ』って言ったら、竜也は手を叩いて笑うだろ?
『嘘はやめろよな』って言うだろ?



『何かあったか?』



『いや、何でもない』


俺はこうはぐらかして、頬杖をつき、外を眺めた。



キミのことが知りたいよ…