俺のクラスは3年6組。一番端にある。
だから他のクラスの人達より長く歩かなければならない。
『怜、おはよ!』
『怜~、今日もかっこいいね!』
廊下を歩いていると、様々な所から女の声が聞こえてくる。
俺はそいつらに笑顔を見せていく。
そして長い道のりは終わりを告げ、教室についた。
『お、怜!おはよ!』
教室に着くとすぐに、俺に話しかけて来たのは、一番仲がいい竜也《たつや》だ。
俺は竜也に挨拶をし、自分の席、南側の一番後ろに座った。
俺が座ると、竜也と他、女数名が俺のところに集まってくる。
『怜、昨日暇だった?昨日みんなで遊んでたからさ。怜を誘おうかと迷ってて!』
えっと、名前なんだっけ?
俺はクラスの女の名前を覚えていない。
『昨日は暇じゃなかった』
こう言うとその子は悲しい表情を浮かべた。