もし自分が女だったら、こんな俺を選んだりしない。
性格だって良くないし、それに、愛がないから。
『…めんどくさ』
俺はこう言って洗面所の電気を消した。
いろいろやっているうちに、時刻は学校へ行く時間を指していた。
俺は軽いカバンを手に持ち、履きなれて少し汚くなったローファーを履き、鍵を締めて、家から飛び出した。
今日の天気は快晴。
太陽が眩しく輝いていた。
そして歩いて学校に向かう。
『城谷先輩だ!かっこいい…』
『三年生の中で一番かっこいいよね!』
俺が道を通る度、毎日こんな声が聞こえてくる。下級生が俺の噂をしているのだ。
その声が聞こえた方を向くと、彼女達と目が合ってしまった。
俺はにこっと笑い、目線を変える。
また彼女達は騒いでいた。
学校に着き、靴を履き替えて、一階にある自分のクラスを目指す。