また思考回路が働かなくなってしまった。
俺は下を向いてその言葉を理解する。
『…は?再婚?なんでだよ?』
『大切な人が出来たんだ』
この言葉に俺は理解が出来なかった。
大切な人が出来た?
じゃあ母さんのことは大切な人じゃなかったのかよ?
母さんと結婚する時だって、大切な人だと思ったから結婚したんじゃねぇの?
俺は拳を強く握り、怒りが頂点に達した。
『また同じこと繰り返すだろ?お前の場合。また他に女作って離婚すんだろ?』
『今回は…本気なんだ』
つまんねぇ冗談言ってんな。
もっといい冗談を言え。
俺はソファーの革をぎゅと握る。
怒りを静めようとして。理解しようとして。
だけどまた親父の言葉で追い討ちをかけられる。
『それでな、お前に妹が出来るんだ』
親父は冷静沈着に、言を並べていく。
妹…?俺に…?