お湯がぐるぐると回り、排水溝に流れていく。
風呂場が熱い蒸気で埋め尽くされていく。
体を流れて落ちる透明な水。
ふと思い出す。
キミのことを…
透明なシャボン玉は、夕日で茜色に染まる。
俺はまだキミを夕方にしか見たことがなくて…
もし、昼に会ったなら、太陽のように、シャボン玉は眩しい色に染まるの?
もし、夜に会ったなら、月のように、シャボン玉は黄色に染まるの?
キミのことを考えれば考えるほど、俺はキミの魅力の虜になる。
髪の毛を洗い流し、風呂場を出た。
体から湯気が立ち上っている。
俺はバスタオルで体を拭き、風呂場をあとにした。
水分を補給するため、ペットボトルの水を一気飲みをする。
ソファーに座り、携帯を見ると、何通かのメールと何件かの不在着信があった。
俺は一通り目を通すが、連絡を返さない。
めんどくさいから。