人間は嫉妬深くて、
やきもち妬きの哺乳類。俺はそう思っていた。

太陽はゆっくりと同じ速度で昇っていき、ゆっくりと同じ速度で落ちていく。


ついに、この時が来てしまった。
梨花が俺の教室まで来て、俺を迎えにきた。
梨花を見ると、なぜかメイクの仕方が気合い入っていて、俺は少し戸惑ってしまう。


『…梨花?』


『変?竜也の彼女が怜に惚れないようにするためだよ!』


…違う、梨花は勘違いしているよ。
俺が竜也の彼女に惚れてるんだ。



『おし!行くか!!』


トイレから帰ってきた竜也が俺と梨花の間に飛び込んできた。

梨花は『痛い』と言いながら、竜也を睨みつける。


『お前なにしてきたわけ?』


竜也の手にはワックスがある。
それを見ればなんとなく分かる。
どーせ梨花と同じ理由なんだろ?



『気合い入れてきた!』


…やっぱりな。
お前も単純なんだよ。