それにしても今日はいい天気だ。
ふとグラウンドを見ると、茶色いグラウンドの上にいくつもの水たまりがあった。
その水たまりは太陽に反射をし、キラキラと眩しい光を出していた。
街と同じだな。
『怜!』
『ん?』
すると竜也が小声で俺の名前を呼び、俺に気づかせる。
俺は竜也の方を見て、返事をした。
『今日、お前もいいだろ?』
『なにが?』
唐突すぎて言っている意味が分からない。
今日、何がいいって?
『ほら、安田が言ってたこと!!ダブルデートだよ!』
また思い出してしまった。もういいって。
これ以上、苦しめさせんな。
『…あぁ、大丈夫だよ』
仕方なく、俺はこう言った。
本当は行きたくないけどさ。
『よろしく頼むな!あやちゃんにも言っとくから!』
竜也は溢れるばかりの笑顔を俺に向けて、携帯をいじりだした。
きっと綾音にメールを送っているのだろう。