もくもくと立ち上る白い湯気は、優しく俺を包み込んだ。
熱いお湯も、俺の肌を洗い流した。
誰も俺を救ってくれないから…


下着姿のまま、俺はリビングに行って、髪の毛を乾かし、脱ぎ捨ててあったスエットをまた着る。

そして少し冷えた布団の中に入って、眠りについた。

その日の夢は、竜也と綾音が出てきた。
二人で寄り添って、笑い合っていた。
その光景を俺はただ、羨ましく見ていただけだった。
何も出来なくて、何も言えなくて…
俺は悲しい瞳を浮かべて、立ち尽くしていた。



…外から車の騒音や電車の音が聞こえてくる。
カーテンの隙間から太陽の光が射し込んできていた。


『朝…か…』


俺は半信半疑のまま、体を起こし、カーテンを開けた。
カーテンを開けると、世界が眩しくて、目を細める。


昨日の豪雨が嘘のように、今日は快晴だった。